派遣社員の退職時の任意継続制度と国民健康保険への切り替え

派遣社員の退職時の任意継続制度と国民健康保険への切り替え

派遣社員の任意継続とは

退職後も健康保険に加入し続けられる

派遣社員の多くは派遣元企業で健康保険に加入しています。 派遣社員として働いている間は、健康保険料の半額を給与から天引される形で負担し、残りの半額を派遣元企業が負担する仕組みです。 そして契約期間が満了して退職する場合には、派遣元企業と雇用関係がなくなるため、健康保険も通常は抜けることになります。 しかし一定の手続きを行うことで、退職後も会社の健康保険に加入し続けることが可能です。 それを任意継続と言います。

保険料は全額自己負担

在職中は会社が健康保険料を折半してくれましたが、退職後はそれがなくなります。任意継続として退職後も会社の健康保険に加入し続ける場合には、健康保険料を全額自己負担しなければなりません。毎月給与から天引されている金額のちょうど2倍の金額を支払うことになります。ただし、保険料率が変更される場合には、退職時の標準報酬月額に変更後の保険料率をかけて計算した金額です。また、標準報酬月額が28万円よりも高い場合には、28万円として計算されます。

いつまで加入するのか

任意継続で健康保険に加入していられる期間は2年間です。2年を経過すると、任意継続被保険者としての資格を喪失します。そして国民健康保険に加入するか、もしくは家族の扶養に入らなければなりません。また、2年経過する前に再就職先が決まれば、再就職先で健康保険に加入するため、任意継続を脱退できます。高齢の人の場合には75歳になると後期高齢者医療に加入しますが、その場合も2年を待たずして脱退可能です。

 

任意継続する方法

任意継続する方法

任意継続は、被保険者期間が2ヶ月以上あれば行うことができます。しかし、健康保険に加入して2ヶ月以上勤務した派遣社員が退職したら、自動的に任意継続になるわけではありません。その名の通り任意で行うものであるため、任意継続を希望するのであれば手続きが必要です。手続きは退職日から20日以内に行わなければなりません。

健康保険組合に「任意継続被保険者資格取得申出書」に必要事項を記載して郵送で提出します。扶養に入れたい家族がいる場合には、扶養に入れるための条件を証明する書類も必要です。その家族の非課税証明書や源泉徴収票などを用意しておきましょう。

 

任意継続制度でよくある質問

国民健康保険に加入するよりも保険料の負担は軽くなりますか?

国民健康保険は均等割や平等割などの一定額の部分と、前年の所得に保険料率をかけた所得割の合計額で保険料が決まります。所得割の保険料率や均等割、平等割は自治体によって異なり高い自治体と安い自治体で差が大きいです。そのため任意継続と国民健康保険のどちらが安いかは一概には判断できません。ただし、任意継続は標準報酬月額に上限が28万円であることから、給料が高かった人のほとんどは任意継続の方が安く済みます。また、被扶養者がいる場合にも任意継続の方が負担が軽く済むケースが多いです。任意継続なら被扶養者がいても保険料は変わりませんが、国民健康保険だと人数分だけ均等割が増えます。

保険証は変わるのですか?

派遣会社を退職する際には、健康保険証を返納しなければなりません。任意継続の手続きを済ませた後に、任意継続用の新しい健康保険証が発行されます。退職後に医療機関を受診する際には、新しく発行された健康保険証を医療機関の窓口に提示してください。

新しい保険証が届く前に医療機関を受診する場合は?

任意継続の手続きを済ませてから実際に新しい保険証が手元に届くまで日数を擁します。その間に医療機関を受診する際には、窓口で任意継続への切り替え手続き中であることを説明してください。具体的な対応方法は医療機関によって異なりますが、手元に保険証がなくても保険適用で受診可能です。ただし、医療機関によってはいったん自己負担で全額支払い、後日保険負担分を返還するという形になる場合もあります。

保険料の納付が遅れるとどうなりますか?

任意継続被保険者は、健康保険組合から送られてくる納付書を使って保険料を納期限までに納付しなければなりません。この点に関しては国民健康保険と同じです。しかし、任意継続の場合には滞納に関して厳しく、滞納すると任意継続の資格を喪失してしまいます。うっかり1日でも納期限を過ぎてしまうと手遅れです。督促や未納通知なども行われず、任意継続被保険者資格喪失証明書が健康保険組合から送られてきます。そのため納期限に関しては、十分な注意が必要です。納期限当日の遅い時間に納付すると、翌日の入金として扱われる場合もあるため、余裕を持って納付を済ませましょう。また、初回分の保険料を納期限までに納付しなかった場合には、最初から任意継続をしなかったという扱いになります。

再就職が決まったらどうすればいいですか?

再就職が決まったら、再就職先での健康保険証が発行されてから、任意継続の資格喪失手続きを行ってください。手続きは、任意継続被保険者資格喪失申出書と任意継続の保険証、再就職での保険証のコピーを郵送するだけです。

 

国民健康保険への切り替えについて

国民健康保険への切り替えについて

国民健康保険への切り替え目的で脱退することは原則としてできない

任意継続は一定の条件を満たすことで、資格を喪失します。その一定の条件というのは、保険料の滞納の他に、加入から2年経過した場合や就職による健康保険への加入した場合、後期高齢者医療へ加入した場合などです。

条件に当てはまらないときに、任意に脱退することはできません。そのため、国民健康保険への切り替えをするために任意継続を脱退することは原則としてできないことになっています。

滞納すると事実上国民健康保険への切り替えが可能になる

任意継続で国民健康保険への切り替え手続きというのはありません。しかし、滞納で任意継続の資格を喪失すると、国民健康保険へ切り替えることになります。国民皆保険制度により、どの医療保険にも加入しておらず扶養にも入っていない状態の人は、国民健康保険に加入しなければなりません。任意継続の資格を喪失して脱退すると、どの医療保険にも加入していない状態になるため、国民健康保険への加入が可能になります。納期限を1日過ぎただけでも、脱退することになるため時間もかかりません。そして任意継続を脱退したら、国民健康保険への加入手続きが必要です。任意継続被保険者資格喪失証明書と印鑑、身分証明書を用意して市役所に行くと、数分で手続きが終わります。自治体によってはその場で国民健康保険証を受け取ることが可能です。郵送で後日受け取る場合もあります。

加入から2年経過したら国民健康保険へ切り替える

任意継続を開始してから2年を経過すると、任意継続を脱退しなければなりません。再就職せず、家族の扶養にも入らない場合には国民健康保険に切り替えることになります。途中で切り替える場合と同様に、市役所で国民健康保険への加入手続きを行わなければなりません。任意継続資格喪失証明書は、2年を経過してから健康保険組合から送られてきます。

国民健康保険への切り替え手続きを行わないとどうなるのか

滞納の場合も2年経過の場合も、国民健康保険への切り替え手続きを行わなければ、国民健康保険証が発行されません。そのため、手続きを行うまで保険適用で医療機関にかかることができない状態になります。手続きを行うまで保険料も徴収されませんが、未手続き期間の分の保険料を支払わなくて済むわけではありません。手続き完了後に未手続き期間の分の保険料もまとめて徴収されます。任意継続の資格喪失後、しばらく経ってから再就職した場合も同様です。

 

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